LOGIC MAGAZINE Vol.15

LOGIC MAGAZINE Vol.15

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今、読者の皆さんと一緒に考えたいと感じた
ホットなトピック

 

LOGIC1周年のご挨拶

LOGICは8月で発売開始から1周年を迎えました。
これも他ならぬ、LOGICを愛用していただいたり、応援してくださった皆さまのおかげです。
心から厚く、厚く御礼申し上げます。

1周年記念と感謝の気持ちを込めた企画をいくつかご用意しておりまして、
その全貌は近日中にリリースを出させていただきます。ご期待ください。

また、前号でご案内した通り、LOGICのバージョンアップは鋭意進行中です。
経過を少しお伝えすると、現在サンプルの調整、香りの再検証、パッケージデザインの見直しをおこなっております。
そして、聞き続きアンケートやモニターの募集をおこなっていますので、ぜひご参加ください。

アンケート・モニターのご参加はこちらから

2年目以降も、初心を忘れず、忙しく働く人のパフォーマンス向上につながる
「体験」や「習慣」をプロダクトを中心に提供し続けていく所存です。
引き続きLOGICのご愛顧の程宜しくお願い申し上げます。

LOGIC 代表 佐々木智也

 

LOGIC | PEOPLE

第一線で活躍するプロフェッショナルの体験や知見から
パフォーマンスアップにつながるヒントを学ぶ。

015
株式会社TENTIAL
中西裕太郎氏

LOGIC MAGAZINE第15回インタビューにご登場いただくのは、元アスリートが手がけるスポーツウェルネスブランド「TENTIAL」の中西裕太郎氏。かつてプロサッカー選手を目指していたという中西氏はなぜ起業を志したのだろうか。また事業を通じて何を成し遂げたいと考えているのだろうか。その胸中に迫った。(聞き手:LOGIC MAGAZINE編集部 佐々木、村上)

 

僕を育ててくれたスポーツ業界に
生きた証を残したかった

ー2018年2月の創業から約3年が経ちました。順調に業績を伸ばし、現在は年商で4.4億円を売り上げるまでになっているそうですが、これまでの期間は中西さんにとってどのようなものだったのでしょうか?

中西:これは少し創業ストーリーっぽい話になるのですが、そもそも僕自身、高校時代にサッカーのインターハイに出場した経験があったので、何かしらスポーツに携わる事業に取り組みたいというエゴがあったんですね。

ースポーツ業界に何かしらの形で貢献したいなと。

中西:加えて、高校3年生のときに狭心症を患って遺書を残したこともあったので、自分が死ぬまでに世の中に何か生きた証のようなものを残したいという気持ちもありました。ただ、そんなに簡単に成功するはずもなくて。いざ資金調達をしようとしたら、スポーツに関わるスタートアップでIPOを経験した企業がなかったこともあって、マネタイズでけっこう難航したんですね。それで最初は、政策金融公庫からの借入とかでなんとかまかないながら、「SPOSHIRU」というスポーツ情報メディアを立ち上げました。それで半年くらい頑張ってSEO的にも検索上位に表示されるようになってきたところで、D2Cにも参入して。

ー2019年に発売したインソールですね。なぜ足に着目したのでしょうか?

中西:いろんなスポーツブランドの歴史を調べてみると、足からはじまっていることが多かったんですね。ニューバランスやアシックス、NIKEなんかもそうだし、ビルケンシュトックも。機能性のあるアイテムとして、足は取り組みやすいんだと思います。ただ、初動こそ順調に売上を伸ばしていたものの、その後の伸びは鈍化していって。このあたりのことは予測はついたことですが、けっこうシビアだなと感じましたね。

ーそうすると、何が大きな転換になったのでしょうか?

中西:去年発売したマスクが大ヒットしたんです。ただ、実際のところ会社自体はけっこうピンチだったんですよ。新型コロナウイルスの影響で世の中の情勢が大きく変わったこともあって、長い期間をかけて仕込んでプロジェクトが見直しになってしまって。そのなかで起死回生ともいうべきアクションになったのがマスクの販売でした。ただ、これも偶然ヒットしたわけではなくて、マスクの検索数が増えていることに気づいて起こしたアクションで。このあたりはメディア運営で培ったノウハウが役立ったと思っています。

 

スポーツ選手のポテンシャルをもっと発揮できるようにしたい

ー現在はインソールやマスクのほか、睡眠時の着用を目的とした「BAKUNE」やクッション性や衝撃性に優れたサンダル「HAITE」など商品数も徐々に増えていると思いますが、どのような課題を感じて事業に取り組んでいるのでしょうか?

中西:国外のスポーツメーカーではどんどんデジタルシフトが進んでいるんですけど、日本のメーカーに目を向けるとそういう変化がまだあまりないんですよね。でも、それによって最終的に不利益を受けるのってスポーツ選手なわけじゃないですか。そういう流れを僕たちの会社でなんとかしたいなと思っています。メーカーが変わればチームも変わるし、結果的に選手が恩恵を受ける機会も増えると思うので。あとはスポーツ選手のセカンドキャリアの問題についても取り組みたいですね。

ーそれはなぜでしょうか?

中西:現在ってオリンピックに出場するトップクラスの選手でもスポンサー企業との契約期間が終わった後の生活は保証されていなくて。しかも契約期間中は、スポンサー企業に関係ない活動が許可されないケースも多く、副業したり勉強したりすることも難しい。そうすると、引退後に何も残らないまま放り出されるわけです。

ー誰かと特別な繋がりがないかぎり、行くあてもないわけですね。

中西:その点、僕たちの会社は競技生活を終えた元アスリートの社員も数多く在籍しているので、セカンドキャリアを形成していくノウハウが蓄積されているんですよ。しかもアスリートってスポーツばかりしてきたからビジネス領域では通用しないと思われがちなんですけど、実はそんなことはなくて。むしろ勝ち負けに対してひと一倍シビアだし、メンタル的にもかなり追い込まれながら練習をしてきたので忍耐力もずば抜けているんです。そういうポテンシャルがあることを事業を通じて証明したいですよね。

ーこれから事業として取り組みたいことはありますか?

中西:スポーツブランドにとってプラットフォームとなるようなサイトを作りたいと思っています。僕たちの会社があることでスポーツ文化が持続できる。そんな価値をつくりたいと思います。

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中西裕太郎さんのパフォーマンスアップのためのルーティーン 

「日記」

手書きの日記を4年ほど描き続けています。高校時代はそういった振り返りをすることはなかったのですが、きちんと結果を出している先輩や後輩って1日の最後に反省する時間をきちんと設けていたんですよね。それもあって、起業してから日記をつける習慣をつけるようになりました。現在は毎週末を利用して週次のスケジュールを組み、日々その振り返りをするようにしています。いろんな手帳を使ってきましたが、フランクリン・プランナーがお気に入りです。

 

中西裕太郎さんのおすすめのワークツール

「Good Notes5」

iPadで使っている手書きノートアプリです。自分はパソコンで文字を打つより、手を動かして文字を書くほうが好きで。その点、この 「Good Notes5」はフォルダ保存ができたり、手書きのメモをPDF化して送ることができるので重宝しています。 

LOGIC | CULTURE

教養としてのカルチャーを楽しみながら学ぶ。

 

「スキンケア映画学」第6回

『プリティ・プリンセス』(プリンセス・ダイアリー)

 この連載ではこれまで男性のスキンケアシーンばかり見てきましたが、今回は趣向を変えて女性のそれについて考えてみたいと思います。取り上げるのは、アン・ハサウェイの出世作である『プリンセス・ダイアリー』。ディズニー製作の絵に描いたようなシンデレラ・ストーリーです。

 サンフランシスコに母と2人で暮らすミアは、地味で内気な高校1年生。ごく普通にすごしたきた彼女は、ある日、初対面の祖母から衝撃的な事実を告げられます。なんと祖母はジェノヴィアの女王陛下で、父親を亡くした今、ミアは同国の唯一の王位継承者であるというのです。ついては、ジェノヴィアに居を移し、プリンセスになってほしい、と。人前に立つのが何より苦手なミアには、そんな大役を務められる気がしません。なんせスピーチの授業でクラスメイトの前に立っただけで、緊張して吐いてしまうくらいなんですから。即答でこれを断ります。そこで祖母から出された条件は、しかるべくプリンセスの教育を受けた上で近々に控えた舞踏会に参加し、それでも自分に務まらないと感じたら辞退せよというもの。かくして、ミアは渋々プリンセス修業を始めることになります。

 最初にも書いたとおり、本作はまごうことなきシンデレラ・ストーリーです。したがって、彼女が最後にプリンセスになるのは言うまでもありません。では、どこが見どころとなるのでしょうか。それは、ミアが酸いも甘いも噛み分けて、プリンセスになる決意をする過程にほかなりません。興味深いのは、度を越した引っ込み思案である彼女が、自分に自信を持つ最初のきっかけが、祖母の指示で“変身”をさせられる瞬間だということです。

 いつものように祖母の家に修業へ向かうと、メイキャップアーティストのパオロが登場し、ミアを鏡台の前に座らせます。そして、彼女のメガネを外し、カーリーヘアをストレートに。さらに「フリーダ・カーロのようだ」と表現されるワイルドな眉毛を切りそろえ、最後にスキンケアで肌を整えて、これまでの地味な見た目とは段違いに華やかな姿へと変身させてしまうのです。生まれ変わった自分の姿を鏡で見たミアが、まんざらでもない笑みを浮かべているのが印象に残ります。物語的にはその後も紆余曲折があるものの、彼女の引っ込み思案がだんだんと解消されていくきっかけがこの瞬間であることは間違いないありません。

 いくつか補助線を引いておく必要があるでしょう。女性だからといって、ビジュアルに気を使わなければならないということはありません。そもそも美の基準というのも、ひとつではありません。メガネをかけていても、カーリーヘアでも、ワイルドな眉毛でも、はたまた肌のお手入れをしてなくても、そこには固有の美しさがあるはずで、本人がそれに満足しているのであれば何の問題もないのです。ミアのよき理解者である警護係兼運転手のジョーはエレノア・ルーズベルトの名言を引いて、こんな言葉をつぶやきます。「誰もあなたの同意なしに、あなたが他人より劣っていると思わせることはできない」。まったくそのとおりなのです。ですが、もし自分に自信が持てず、それをどうにかしたいと思っているなら、ビジュアルを抜本的に変えてみることが、解決の糸口になることもあるかもしれない。スキンケアを始めとする身だしなみを整えることが、これまでになかった新しい力をもたらすかもしれない。そういうことは大いにありえるいうことを、『プリンセス・ダイアリー』は示唆しているような気がします。


鍵和田 啓介
1988年生まれ、ライター。映画批評家であり、「爆音映画祭」のディレクターである樋口泰人氏に誘われ、大学時代よりライター活動を開始。現在は、『POPEYE』『BRUTUS』などの雑誌を中心に、さまざまな記事を執筆している。


(この記事は2021/8/4にNewsletterで配信したものです)

 

 

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