LOGIC MAGAZINE Vol.06

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今、読者の皆さんと一緒に考えたいと感じた
ホットなトピック

 

ホテルが第2の仕事場になる時

 先日、仕事の関係で渋谷ミヤシタパークのホテル「sequence」に泊まる機会があった。しかもスイートである。華美な装飾やデコレーションのないミニマルなインテリア、顔面認証で自動化されたチェックイン、最低限に抑えた人的サービスと、ラグジュアリーホテルともビジネスホテルとも一線を画したスマートなスタイルで、非常に居心地のよいステイであった。客室のみならずオープンなカフェ兼ロビーや、目の前に広がる公園と、特に仕事をするには非常に適した環境だと感じた。スイートに泊まれることはそうそうないが、手頃なグレードの部屋に数日泊まって気分を変えて仕事をするのはかなりありだと思う。

 ステイホームの反動やGoTo(12月中旬より停止になってしまったが)での影響なのか、実際にホテルを仕事場にするひとは増えている。ビジネルホテルの大手アパホテルや、老舗のプリンスホテルまでがテレワークプランを実施したり、SNS上でホテル暮らしを名乗るワーカーも散見される。この背景にはコロナの影響による仕事環境の変化もあるが、それ以上にここ数年でホテルの選択肢が増えたことが大きいのではないだろうか。相部屋だが、共有スペースが充実し、スタイリッシュなシェアホテルや、古い建物をリノベーションし、独自の世界観を入れることで“浸れる”ブティックホテル、全国どこでも系列であれば泊まり放題のサブスク型ホテル、そして、Airbnbなどでおなじみの民泊。使い方次第では都内にアパートを借りるよりも安い場合もあるし、家事も必要ない。そしてなにより、オフィスや家で味わえない転地効果も期待できる。

 かつて、ホテルに長期滞在の代名詞といえば作家だったが、もはや作家だけに使わせておくのはもったいない。ここまで条件が揃えば、アフターコロナ以降もホテルをオフィス代わりに使う人は増えていくであろう。まだ体験したことがない人はぜひトライすることをおすすめしたい。(佐々木智也)

 

LOGIC | PEOPLE

第一線で活躍するプロフェッショナルの体験や知見から
パフォーマンスアップにつながるヒントを学ぶ。

 


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SHE株式会社
福田恵里氏

LOGIC MAGAZINE第6回インタビューは、女性のためのキャリア&ライフコーチングスクール「SHElikes(シーライクス)」を主力事業として展開するSHE株式会社の福田恵里氏。2020年の4月に代表取締役CEOに就任すると同時に産休・育休に入るなど、女性としての働き方の可能性を広げている福田氏に、事業のことや子育てのことについて尋ねた。(聞き手:LOGIC MAGAZINE編集部 佐々木、村上)

 

いろんな“べき”や“呪い”を取り払っていくことで、
女性が人生をもっと楽しめるように。

ーCEOに就任されたタイミングで産休・育休に入るというプレスリリースを読んで驚いたと同時に、女性のワークスタイルを変えるきっかけにもなる素晴らしいアクションだと思いました。

福田氏:CEOだからといって、プライベートを犠牲にして働かないといけないとは思わないんですよね。仕事と両立できる範囲で休めるときに休んだ方がメリハリもつくだろうし。そういう姿勢をトップが示していくことが、この会社で働くメンバーにとってもポジティブなメッセージになると考えて行動しました。

ー会社のスタンスも見えるし、ある意味では「自分ひとりではなにもできない」という宣言でもあるわけじゃないですか。

福田氏:おっしゃるとおりです。実は、私が産休・育休中に事業がいちばん伸びたんですよ。休み明けに話を聞くと、「えりちゃんがいない間に我々が頑張らねば!」という気持ちになっていたみたいで。そうやって組織が一丸となり、しかも数字として色濃く出ているのを目の当たりにして、互いの人生を尊重し合って補い合う文化が根付いていく可能性を感じました。今後、社内のメンバーが産休・育休を取得しても、今回と同じように結果を出せる体制が引き継がれていくといいですよね。

ー実際のところ、福田さんはどうやって仕事とプライベートを両立しているんですか?

福田氏:私は、かける時間=愛情ではないと思っているので、家事を代行会社にお願いしたり、ベビーシッターに子どもを預けたりして、仕事とプライベートをストレスなく両立できるように工夫しています。あと、今は家族の拡張に取り組んでいて。

ー家族の拡張?

福田氏:自分の家族だけで解決しようとして、潰れてしまうことってけっこうあると思うんですよ。だから、私と夫だけでなく、会社のメンバーも子育てに巻き込んでいるんです。オフィスに子どもを連れていくこともあるんですけど、私が会議に出席している間は社内にいるメンバーがお世話をしてくれていたりします。私の子供の成長を、社員も心から楽しんだり喜んでくれていて、お父さんお母さんが何人もいる感じ(笑)。

ー確かに、子育ても仕事と同じように自分でできること・できないことを切り分けるのは大切かもしれないですね。

福田氏:私たちの会社では、「固定概念に囚われずに自分らしく生きるための、解放の伴走者になる」というミッションを掲げているのですが、女性がライフイベントを迎えていく中でいろんな”べき”や”呪い”があると思うんですよね。たとえば、アラサーだからとか、女だからとか、あの子は特別だからとか。そういう固定概念をすべて取り去ることがSHEの使命だと思っていて。そういう意味では、私自身も子育てに関するいろんな固定概念を取り払っていければいいなと考えています。

小さな目標達成の積み重ねがチャレンジにつながる

ー福田さんが仕事に夢中だからこそ、メンバーやスクールの受講生にもその熱が波及している気がします。身近な人が夢中になっていると感じる瞬間はありますか?

福田氏:それはすごくあります。キャリアスクールというビジネスモデルは以前からあるので、これといった真新しさはないと思うんです。でも、Twitterで「#シーライクス」というタグで検索してみると、月に4000とか5000件の「SHEで人生が変わった」というUGCが生まれていて。それって私たちが何か働きかけをしているわけではなく、受講されている方々が自発的にツイートしているものなんですね。そういう熱狂を生み出しているのは、手前味噌ながらすごいことだなと思っています。

ー何がそれほどまでの熱狂を生み出しているのでしょうか?

福田氏:やはり私含め講師やスタッフも、そして会員の皆様もミレニアル世代の女性が多いので、人生で抱える悩みやフェーズが似ているんですよね。その共通の不安や課題に共感し合いつつ、エフィカシー高く夢に向かえる”コミュニティ”が形成されていることだと感じています。例えば、スクールに入会したときの約束がいくつかあるんですね。「私なんか」という言葉は使わないとか、自分や他人の夢を否定しないとか。それを受講生がしっかり守ってくださっているからこそ、心理的安全性が生まれて、自分の夢ややりたいことに向かってひたむきに頑張れるんだと思います。また、コミュニティの性質としてもピラミッド構造ではなく、球体型のコミュニティを意識して運営しています。講師から生徒へ知識を授ける一方的なコミュニケーションではなく、生徒同士でナレッジシェアしたり、生徒が講師になったり……。全員がGIVERとしてコミュニティに貢献してもらえるようにしています。

ーSHElikesの受講生になったことをきっかけに、人生が大きく変わる人もいそうですね。

福田氏:それは受講生をコーチングするときに強く感じます。中には、今まで抱えていた不安や夢を話しているうちに泣き出してしまう方もいるのですが、それってきっかけがなかったら打ち明けられないまま過ごすことになっていたわけですよね。デザイナーになりたかったけど、未経験者は無理だと言われて諦めていたとか。そういう言葉はすべて呪いだと思うのですが、小さな目標達成を積み重ねていくうちに自信がついてみるみると変わっていくんですね。それが結果として、チャレンジしたいという気持ちにつながっていく気がしています。

義務教育のアップデートをしていきたい

福田氏:はい。これまではスキルアップやマインドセットなど内面を磨くお手伝いをしていたので、次は自分らしく生きるために外面からのアプローチもしたいなって。私は、この会社をキャリアスクールの運営だけで終わらせるのではなく、SHEというコミュニティブランドを軸に女性のライフイベント全般の課題解決をしていきたいんですよね。その第一弾がキャリア、第二弾がビューティー、第三弾も現在仕込み中です。そして最終的には教育にも取り組みたくて。日本の義務教育のアップデートがしたいんです。

ーどうして義務教育を変えたいのでしょうか?

福田氏:今年の初めに子供を産んだことをきっかけに、教育について考えるようになりました。自分が子供の頃を思い出すと、様々な場面で「みんなと同じであること」が求められていたように感じます。それに対して、社会人になったら急に「あなたの強みは」「お前はどうしたい」と”個”を意識することが求められるようになるんですよね。そのギャップに違和感を感じていて。そんな日本の現状を変えるには、子供たちに「自らの力で生き方を選択していく力」を身につけてもらうことが必要だと感じています。与えられた正解ではなく、自分で正解を切り開いていく力です。時代は変わり、生活様式も、価値観も、様々な事象がアップデートされる中で、日本の未来を担う、”教育”業界全体にも、そろそろアップデートが必要だと思うんです。SHEは今まで大人の価値観の変革を行ってきたので、次はこれからの未来を担う子供たちにもその思想を広げていきたい。

ー人間が成長する中で、教育は一つの欠かせない要素ですよね。

福田氏:教育以外でも、日本の未来をより良くしようと思ったら、日本の根幹を支えている、金融、政治、テクノロジーといったある意味レガシーでボーイズクラブになっている業界にどうやって多様性を取り入れ、イノベーションを起こせる土壌をつくっていくかに行き着くと思っていて。男女の比率だったり、情報の格差だったり、不均衡が生じている業界を是正していき、本当の意味で誰しもが自分らしく生きられる世の中をつくりたい。政治や経済など、現在は男性が多くて一見お堅くて難しそうな業界にも、将来的にSHEが介在することで、その業界に憧れる女性を増やすことに繋がると良いなと思っているんです。

ー子供を産んでからそれだけ思考が変化したと……。ということは、今後も福田さんのこれからのライフプランに沿う形で事業が展開していきそうですね。

福田氏:そうなんですよ。自分のステージが上がれば上がるほど、新しい景色が見えてくるので、今楽しくてしょうがないです。現在、会社は4期目なんですけれど、これからメンバーも倍以上に増えるだろうし、子どももすくすくと成長しているので、どちらも諦めずにやっていきたいなと思っています。女性が活躍できる土壌が増えれば、社会のイノベーションにもつながっていくはずなので。

 

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福田恵里さんの仕事のパフォーマンスアップのためのルーティーン 

「MOODA(モーダ)」

最近になって使うようになったメンタル管理アプリです。私は割と常にモチベーション高く仕事をしている方なんですけど、それでも日によっては気分が落ちてしまうことがあって。そういうときって自分のことをすごく責めてしまうんですよね。それを客観的に管理してみたら何か変わるかなと思って導入しました。日々のメンタルを顔文字とひと言メッセージで記録していくのですが、毎日の気分を一覧で俯瞰すると、落ち込んだときも、「これは一時的な気持ちのブレである」と頭で客観的に理解できるんですよね。それでモチベーション管理が以前よりもうまくできるようになりました。

 

福田恵里さんおすすめのワークツール

「アロマミスト」

Neal's Yard Remedies Remedies to Roll Travel(左)とSuː5 Mask Spray『Sun』(右)

社内のメンバーからプレゼントしてもらったものなんですけど、物だけでなく肌にも使えてすごく便利です。マスクに付けたり、枕に付けたり。素敵な香りを嗅ぐとすごくリフレッシュできていいんですよね。心の健康状態をいかに保つのかってすごく大切だなと30歳になってから考えるようになっていて、この香りだけでなく、自分の好きなものに囲まれて生活することをこれからは心がけていきたいです。

 

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