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今、読者の皆さんと一緒に考えたいと感じた
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夏本番!紫外線対策のススメ

8月に入り暑さと同時に気になる突き刺す様な日差しが本格化してきた。毎日の生活で私たちが浴び続けている紫外線は特に肌の老化に影響があることが分かっていて、肌の老化の原因の約8割が紫外線による「光老化」(残りの2割は加齢)といわれている。「光老化」のよる肌の老化現象は、シミやシワ、たるみなど、まったくもって肌にいいことがない。そればかりか、毛髪や頭皮にも悪影響を及ぼす。

そこで、筆者自身もそうであるがゆえ、生来日差しに無防備な男性の視点で無理のない紫外線対策を紹介していきたい。しっかり紫外線対策をおこなうことで、若々しい肌をキープし続けよう。

 

日焼け止めを塗る

紫外線対策の王道がやはり、日焼け止め。シーンや部位によって使い分けよう。 屋外での運動や長時間の外出はSPF値※1やPA値※2が高く、ウォータープルーフのものを、通勤や移動程度ならSPF値やPA値は最高値の半分以下のものでも充分ケアできる。また、男性に多い悩みとして、日焼け止め特有のベタベタ感が苦手な人や、塗るのが煩わしいという人もいる。その場合は、直塗りのスティックタイプやスプレータイプをおすすめしたい。つけ心地も軽く、とにかくラクに塗れる。

※1 Sun Protection Factorの略で、紫外線B波によって起こる急性の炎症を防止する効果の程度。数値が高いほど効果が高い
※2 Protection Grade of UVAの略で、紫外線A波を防止する効果の程度。A波はB波に比べて波長が長いため肌の奥深くに到達し、シミやシワの発生に大きく関わっている。+が多いほど効果が高い

 

ビタミンCを摂取する

どんなに万全な対策でも完全に防ぐのは難しい。そこで重要になってくるのが内側からのケア。ビタミンcには強い抗酸化作用があり、シミやくすみのもとになる「メラニン」の生成を抑える働きやできてしまったメラニンを薄くする効果がある。つまり、紫外線による日焼け予防だけでなく、日焼けしてしまった肌にも効果を発揮する。アセロラやキウイ、イチゴなどの果物の摂取がおすすめではあるが、毎日の摂取が難しい場合、サプリメントで補うことも可能。尚、柑橘系は紫外線の感受性を高めてしまう「ソラレン」という物質も含まれているため夜の摂取を勧める。


日焼けしてしまった場合のアフターケア

日焼け後の肌は、軽い火傷をした状態と同じで、紫外線によって炎症を起こしている。まずは冷やしてほてりを鎮め、炎症に進行を止めることがポイント。冷水や濡れタオルなどを使用する。また、角質層から水分が失われて肌が極度に乾燥した状態なので、赤みやほてりが落ち着いた後に化粧水でたっぷり水分を補給しよう。フェイスマスクなどを活用するのもおすすめ。

 

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第一線で活躍するプロフェッショナルの体験や知見から
パフォーマンスアップにつながるヒントを学ぶ。
 



025
株式会社TETOTETO
井上豪希氏
井上桃子氏

LOGIC MAGAZINE第25回インタビューにご登場いただくのは、​​食を中心に、人の暮らしの感度を高めるプロダクトを生み出している夫婦ユニット「てとてと」の井上豪希氏と井上桃子氏。全2回でお届けする前編では、二人が大切にしていることを中心に伺います。(聞き手:LOGIC MAGAZINE編集部 佐々木、村上)

 

気が合うから仕事をする。
それってすごく人間的

ー二人で活動されてどれくらい経ちますか?

井上桃子(以下、桃子):5年くらいですね。

ー少しずつ活動内容が変化していると思うのですが、現在はどういうフェーズに差し掛かっているのでしょうか?

井上豪希(以下、豪希):本格的に事業をやろうかなと考えています。最初の頃は、二人で活動するのに便利そうだから法人化しただけだったんですよ。でも、最近はやりたいことが固まったこともあって、二人だけで完結しないことも増えてきていて。点を線にしていくような仕事の仕方をしていたのがこれまでだとしたら、これからは面をつくるフェーズなのかなと。

ーそれは二人の活動の幅が広がってきたのか、求められる声が増えてきたのか、どちらなんでしょうか。

豪希:どっちもあるよね。

桃子:うん。これまでの5年間は、大きな目標をひとつ決めて進んでいくような感じではなかったんですよね。その場その場でやりたいことをやっていたというか。

豪希:そうそう。

桃子:少し話が遡るのですが、私たちが二人で活動をはじめてから3年間くらいは「てとてと食堂」という食事会を中心に活動していたんですね。豪希さんが料理をつくって、私がおもてなしするスタイルで。ただ、新型コロナウイルスの影響でそれがほぼできなくなってしまって。そうしたら、なぜか地方から声がかかるようになったんです。そこで生産者をはじめとしたその土地に住む人たちとつながりができて、ここ2年は地方の仕事も増えてきていました。

豪希:その縁もあって、仲良くなった生産者さんのブランディングや商品開発みたいなことを手伝っています。

桃子:どれくらいだろう。50くらい? 常になにかのプロジェクトが動いているんです。

ー50はすごいですね!

豪希:でも、1カ月に1回動きがあればいいほうで、半年に1回くらいしか返信が来ないクライアントもたくさんいます(笑)。農家さんは特にそう。「今は生産の時期で忙しいから対応できません」って言われたから、生産の時期が終わってから連絡したら「今は疲れ果てているからできません」って(笑)。春夏にガッと仕事をして、秋になったら休憩して、冬になってようやく動きはじめるんですけどね。

ーある意味、人間らしい。

豪希:そうですね。最近グッときた単語がいくつかあって。「気が合う」とか「生きている」とか「豊かさ」とか。そういうキーワードを大切にしています。だから、仕事のタイミングもお互いに気が合うときにすればいいかなと。向こうがなかなか動かないってことは、まだ時期じゃないんだなと思うんですよ。人それぞれにペースがあるというか。

ー本当にやりたいことは今すぐやるはずだと。

豪希:はい。そういうクライアントはすぐに返事が返ってくるので、それを手伝うようにしています。しかも、そういう波長が合う人と仕事をすると、いつの間にか友達みたいな関係になっているんですよね。だからプロジェクトの区切りがついてからも仲が良くて、自分たちの財産になっていると思います。

 

お金よりも初体験を求めて仕事を選びたい

ー二人は心地良さを大切にしていたり、感覚で動いていたりと共通点が多いですよね。それでも、ときには衝突することもあると思うのですが、どのようにして波長を合わせているのでしょうか?

豪希:僕たちの判断基準として、ワクワクするかをすごく大事にしていて。けっこう好き嫌いで物事を判断しているかも(笑)。

桃子:お金のことは考えなくはないけど、仕事を受ける際の判断材料にすることって少ないよね。それよりも楽しいと思えるかの方が重要で。私たちははじめてのことほど楽しめるんですよ。一度でも経験してしまうと、なんとなくの見積もりが出せるようになるじゃないですか。でも、見積もりが出せるようになったら終わりだなと思っていて。

ー通常であれば、熟練度が上がるほど予算が増えたりとポジティブな面も多いと思うのですが、そうではないわけですね。

桃子:そうですね。さっきも言ったようにお金へのこだわりはそこまで強くないので。それよりもワクワクすることがしたいんです。だから、見積もりが出せない仕事ほど楽しい。ただ、見積もりが出せる仕事は私たちに知見があるということでもあるので、人を巻き込みやすくなるんですよね。だから、すでにやったことがある仕事はいろんな人を巻き込みながら取り組んでいるんですが、そうすると関わるプロジェクトも増えてしまうっていう(笑)。

豪希:たとえば、僕たちがプロデュースしている和菓子屋があるのですが、オーナーさんが総予算30万円、家賃10万円未満で東京に出店したいと。そんなの絶対にないじゃないですか。そう思いながら探していたら、空き店舗があったんですよ(笑)。

ーまさかの(笑)。

豪希:ただ、店内は清掃しないといけないし、什器もつくらないといけない。だから、僕が壁を剥がしてペンキを塗ったり、桃ちゃんが暖簾を縫ったりとすべてDIYして。そうやって体を動かすことはすごく楽しいからやるんですよね。

ー新たにワクワクすることを二人で開拓していくことがずっと続いているんですね。だからこそ、はじめて体験することが楽しいというか。

豪希:あと、二人とも人に何かをしてあげたい意識が強いんです。自分たちの行動が誰かのためになっているか。それが意思決定に大きく関わっているような気がします。だから、お金稼ぎが本当に苦手なんですよ。

桃子:目標に向かって頑張らなきゃいけないのがつらいんだよね。

豪希:そう。「こうした社会課題を解決します」みたいなことを標榜するのが苦手というか。

桃子:だから、絶対に起業なんてしないと思っていたんです。それが今は、自分たちで会社を立ち上げて、利益も生んでいるんだから不思議ですよね。株主のような第三者が介入していないから、うまくいっているのかもしれないんですけど。

豪希:至上命令で事業をやることが苦手だし、得意ではないので、自発的に起業していたら失敗していたんだろうなと思います。別に起業したいと思っていたわけではなく、成り行きで行き着いた先が起業だっただけなので。

(次号、後編へ続く)

 

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illustration:うえむらのぶこ


「ビジネス映画学」第4回

『マイ・インターン』

 「自分の中にいる“リトル本田”に尋ねました。『どこでプレーしたいのか?』と。そしたら『ミランでプレーしたい』と答えた。だから、入団を決めました」。ACミランへの入団会見でそう語ったのは、サッカー選手の本田圭佑さんです。

 ビジネスの場で悩んだり壁にぶち合ったりしたとき、誰かに相談したくなるのが人情というものです。しかし、何らかの事情で、自分しか頼れる人がいない場合も少なくありません。そんなとき、本田さんのように、自分と別の視点を持つもう1人の自分を心の中に設定し、アドバイスを求めることが、突破口になることはあるんじゃないでしょうか。実際、本田さんはさまざまな新しいビジネスを手がけていますから、そちらの活動でも“リトル本田”を頼りにしているような気もします。では、どんな“リトル自分”を設定すべきでしょうか。そのヒントになりそうなのが、『マイ・インターン』です。

 『マイ・インターン』の舞台は、ブルックリンが拠点のファッション通販サイト「アバウト・ザ・フィット」のオフィス。30代後半のジュールズが、1年半前に創業したばかりの新進気鋭の会社です。同社の特徴は、とにかく若いバイブスに溢れていて型破りなところ。それは、コミュニケーションとチームワークの強化を図るべく全員がワンフロアで働いていたり、ジュールズがエクササイズも兼ねて自転車で移動していたりといった、旧態依然とした企業体質とは正反対のカジュアルな社風からも一目瞭然でしょう。それでいて、業績は好調のようだから言うことはありません。実際、5年後の目標に掲げた収益に、もう到達しているそうです。

 しかし、喜んでばかりもいられません。なぜなら、あまりに急成長しすぎて、社内のリソースが追いついていないから。それはひとえに、ジュールズが何から何まで自分でコントロールしないと気がすまないことに由来します。なんせ彼女は、消費者の生の声に耳を傾けるために自らテレフォンオペレーターの業務を買って出たり、工場へ足を運んで発送時の梱包について指示したりするんですから。それが同社のうまくいっている要因でもあるわけですが、そのせいで帰宅するのはいつも夜中。夫や娘と過ごす時間すら満足に取ることもできません。結果、出資者からは外部の経営のプロをCEOとして招き、ジュールズは企画に専念せよと通達が出る始末。もちろん、ジュールズは最終的な決定権を誰かに譲ることには反対なわけですが、家族と過ごす時間を少しでも作るためには致し方ないような気もしています。「アバウト・ザ・フィット」は、型破りだからこその問題も抱えているわけです。

 そんなある日のこと、ジュールズに新しい部下がつくことになります。名前はベン。シニア・インターン・プログラムで採用された、70歳の老人です。電話帳の印刷会社を定年退職したという過去を持つベンは、「クラシックは不滅だ」という信念のもと1973年に発売されたレザーのアタッシュケースを今も大事に使い、「女性に貸すため」という理由でハンカチを常備しているような人物です。古き良き男性像を体現するような彼と、1人で会社を起こし、男性社会の荒波をサヴァイブしてきたジュールズは、正反対と言えます。
 実際、ジュールズは親ほど歳の離れた部下となんてうまくいかないと思っていました。しかし、ベンは昔ながらの手法、彼の言葉を借りるなら「忘れられた騎士道精神」を発揮して、彼女が抱える問題を解決し、彼女の至らない点をサポートします。そして行動以上に、古臭いかもしれないけど普遍的な言葉で彼女を勇気づけます。それは、ネタバレを避けるために詳述はしませんが、回り回って「アバウト・ザ・フィット」が若いバイブスに溢れ型破りであり続けるための一助にもなるのです。
 誤解のないように急いで付け加えると、ベンは悩んだ末にジュールズが自分の中に作り出したイマジナリーフレンドだった……みたいな大どんでん返しがあるわけではありません。2人はまったくの別人格です。しかし、現実に照らし合わせてみると、ちょうどよくベンのような素晴らしい人材が現れてくれることは至極稀でしょう。であるならば、ベンのような人物を“リトルジュールズ”として設定してみるのはどうでしょう。しかも、自分とはまるで正反対の視点を持った人物、もし自分が型破りな新しいビジネスをしているなら、堅実で古い考えを持つ人物を設定してみる。そうして生み出した“リトル自分”が冷静な判断や意外なアドバイスをもたらし、ビジネス的に適切な答えへと導いてくれるということは、大いにありうる気がします。

鍵和田 啓介 
1988年生まれ、ライター。映画批評家であり、「爆音映画祭」のディレクターである樋口泰人氏に誘われ、大学時代よりライター活動を開始。現在は、『POPEYE』『BRUTUS』などの雑誌を中心に、さまざまな記事を執筆している。


(この記事は2022/8/8にNewsletterで配信したものです)

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